墨出し作業を一人で行う方法は?レーザー墨出し器と受光器の活用方法
従来は複数人で作業するのが一般的だった墨出しですが、必要な道具を用意することで一人でも正確な墨出し作業を行うことが可能になりました。
しかし、墨出し作業を一人で行うためにはいくつかのポイントを押さえておく必要があります。
この記事では、一人で墨出し作業を行う手順と、重要なツールである「レーザー墨出し器」「受光器」について詳しく紹介します。
目次
墨出し作業は一人でできる?
墨出し作業を一人で行うことは可能です。
しかし、2人で行うケースよりも手間と工数がかかってしまうことは留意しておきましょう。一人での墨出し作業は、正しい道具の選定と、無理をせずに可能な範囲で作業を進める意識が重要です。
墨出しとは
墨出しとは、基礎工事や型枠工事において、建物の位置や高さを現場で正確に示すための作業です。設計図面を基に、建材の土台などに正確な直線を引く作業が「墨出し」です。この墨出しの線に沿って、建物の基礎や柱、壁などを施工します。
正確な墨出しは建物の品質に直結するため、非常に重要な作業です。従来は2人以上で行うのが一般的でしたが、便利なツールが普及したことによって、一人で墨出しができるようになりました。
レーザー墨出し器と受光器があれば可能!
以前は2人以上で行わなくてはならなかった墨出し作業ですが、最新のレーザー墨出し器と受光器を使えば、一人でも正確かつ効率的に墨出しができます。
レーザー墨出し器は、水平・垂直・地墨点をレーザー光線で照射し、基準となる線を出すことができる測量機器です。一方、受光器は、レーザー光線を感知して、その位置を音と光で知らせる機器です。
レーザー墨出し器と受光器を活用すれば、一人でも正確で効率的な墨出し作業が実現できるのです。
一人で墨出しをする手順
それではさっそく、レーザー墨出し器と受光器を用いて一人で墨出しを行う手順を紹介します。
- 設計図面に沿って印を付ける
- レーザー墨出し器で基準線を出す
- 墨打ちをする
一つひとつの工程について、詳しく解説します。
1.設計図面に沿って印を付ける
設計図面を確認し、墨出しの基準となる位置に印を付けます。
まずは基準点となる位置を決め、そこからメジャーなどで寸法を測って、寸法通りの位置に印をつけるという手順です。
正確な位置に印を付けるためには、設計図面を読み取る力と、現場での寸法の確認が重要になります。まずは基準点をしっかりと定め、そこから正確に寸法を読み取って、現場に的確に反映させていくことが肝心です。
2.レーザー墨出し器で基準線を出す
レーザー墨出し器を使って、基準となる垂直・水平ラインを照射します。手順は以下の通りです。
- レーザー墨出し器を三脚などに設置し、高さや位置を調整
- 円形気泡管を見ながら、精密に水平を出す
- 照射ボタンを押して、垂直・水平の基準ラインを壁や床に照射
- 受光器をライン上で動かし、ブザー音の変化で中心位置を割り出す
- 中心位置にマーキング
基準ラインを正確に出すことで、その後の墨打ち作業がスムーズに進められます。一人でも、レーザーの力を借りれば、効率的に墨出し作業を行えるのです。
3.墨打ちをする
レーザーで照射した線に合わせて、実際に線を引く作業が「墨打ち」です。ここでは墨つぼやチョークラインといった道具を使って線を引きます。
墨つぼは、墨が染み込んだ糸を伸ばして固定し、弾くことで直線を引くシステムになっています。伸ばした糸は「カルコ」と呼ばれる留め具で固定しますが、本来は2人人組になって「カルコを押さえる人」と「墨つぼを押さえる人」で分かれる必要があります。
一人で行う場合は、カルコを足で押さえる、カルコに重しを載せるといった工夫が求められます。
カルコを足で押さえて弾く
短い距離の墨打ちであれば、カルコを足で押さえて糸を弾くことができます。
糸がピンと張られた状態を保持するため、体勢が崩れないよう注意が必要です。体をギリギリまで伸ばすと正確性が失われるため、無理に足で押さえて墨打ちをすることはおすすめできません。
カルコを重いものや釘で押さえて弾く
足で押さえるよりも正確性が高い方法が、カルコを別のもので押さえるというやり方です。
カルコの上にレンガやブロックを載せる、またはカルコを釘などで固定するといった方法が考えられます。足が届かない距離の墨打ちや、体勢を保ちにくい場所での墨打ちにおいて有効です。
どちらの方法でも、糸をピンと張った状態に保ちながら、糸の中央部分を人差し指ではじきます。はじく強さは一定に保ち、左右対称に線が引けるよう意識しましょう。慣れないうちは何度か練習すると良いでしょう。
一人で墨出しをする場合の注意点
一人での墨出しは、上記の方法で可能ですが、実際に行う場合は以下の注意点に気をつけましょう。
- 補助器具を使う
- 経験が浅い場合は無理をしない
それぞれ、詳しく解説します。
補助器具を使う
一人で墨出し作業をする際は、補助器具を活用することで作業効率が上がります。先述した「レーザー墨出し器」「受光器」以外にも、以下のような補助器具がおすすめです。
- マグネット付きアルミ定規:鉄骨や金属面に固定できる
- クランプ:材料や器具をしっかりと固定する
- 三脚:レーザー墨出し器を安定した状態で設置できる
これらの補助器具を適切に使用することで、一人でも正確かつ効率的に墨出し作業を進められます。ただし、高所での作業など、安全面に十分注意が必要です。状況に応じて無理のない範囲で作業を行いましょう。
経験が浅い場合は無理をしない
墨出し作業を一人で行う場合、経験の浅さから思わぬミスをしてしまう可能性があります。初心者の方は、無理に一人で全てをこなそうとせず、できる範囲で着実に墨出し作業を進めましょう。カルコを押さえるのがどうしてもうまくいかない場合は、周囲の作業員に声をかけて手伝ってもらうことも一つの選択肢です。
また、夏場の屋外作業などでは体調管理に気を付け、集中力が低下したら休憩を取るようにしましょう。
一人で墨出しをする時の必需品・レーザー墨出し器とは?
一人で正確な墨出し作業を行うには、レーザー墨出し器が必需品です。レーザー墨出し器は、水平ラインや垂直ラインを照射して基準線を示すことができる便利な測量機器の一種です。
レーザー墨出し器の主な特長は以下の通りです。
- 高輝度レーザーによる鮮明な可視光線を照射
- 360度回転台座で全周囲に線を出せる
- 微調整ネジによる高精度な調整が可能
- 屋内・屋外問わず使用できる
またレーザー受光器と組み合わせることで、より広範囲で高い位置精度の墨出しが実現できます。
レーザー墨出し器ならトーヨーテクノ
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