墨出し器とは?用途や使い方、プロ用とDIY用の違いを紹介!
レーザー墨出し器は、建築現場で活躍する道具ですが、近年ではDIYで使用する方も増えてきています。今回の記事では、墨出し器とはどのような道具なのか、用途や使い方についてや、安い墨出し器と高い墨出し器の違いや光の違いまで、詳しく解説いたします。
レーザー墨出し器とは
レーザー墨出し器とは、レーザー光を床や壁、天井に照射し、「水平(ろく)」「垂直(たち)」「90°(おおがね)」などの施行に必要な基準線(ライン)を出す機械で、オートレーザーやラインレーザーなどとも呼ばれています。
建築工事などでは、図面に基づいて現場にも正確な設計図を転載しなくてはいけません。この基準となるラインは、従来「墨壺」という道具を使って、墨と糸で引いていました。これを「墨出し」「墨つけ」などと呼びます。
近年ではレーザー光線を照射して、壁や天井などに水平や直角などの基準ラインを引くレーザー墨出し器が活用されていることがほとんどです。
工事現場はもちろん、DIYなどで個人の方が使用することも可能です。
墨出し器とオートレベルの違いは?
「オートレベル」とは基準点からの高さや水平を測定する、三脚に乗った形の機器です。公共道路の測量などでよく使われるので、街で見かけたことがある方も多いと思います。
もちろん建設現場でも使用されますが、若干用途が違います。オートレベルは根本的には水平を測るもので、屋内・屋外を問わず使用できます。
レーザー墨出し器は水平だけでなく、垂直、おおがね、通り芯まで全てを測ることができ、また、作業を1人でできるため便利です。ですが、レーザーなので明るい場所ではやや認識しづらくなり、屋外には不向きです。
墨出し器の歴史
レーザー墨出し器が登場する前は、オートレベルや上の画像のようなさしがね(曲尺)などを活用して、墨出し作業を行っていました。
ただ、オートレベルを使用すると、測定する人と印をつける人とで2人の人員が必要でした。
ですが、レーザー墨出し器が登場したことで、レーザーで全て測れるため、1人で作業ができるようになり、短時間で墨出しをすることができるようになっています。
レーザー墨出し器の原理
レーザー墨出し器には「ジンバル式」と「電子整準式」があります。ジンバル式は、振り子をジンバルユニットに垂直にぶら下げ、マグネットダンパーで制動してレーザーラインを整準します。電子整準式は内蔵された電子気泡管センサーで気泡位置を検知し、モーターで制御してレーザーラインを整準します。
ジンバル式と電子整準式の違いについては、「ジンバル式・電子整準式の違いは?」の見出しで紹介します。
レーザー墨出し器の使用用途
レーザー墨出し器は、
- 内装工事全般
- DIY
- 水道・電気などの設備工事
などで使用されています。どのような場面で使われているか、詳しくは以下で解説いたします。
内装工事
レーザー墨出し器は、基本的に内装工事に使用されます。
床や壁、天井に設計図通りの作業を実施するため基準線として水平、垂直ラインを照射させます。
例えば、垂直ラインが必要な場合は脚立で天井近くまで上って、下げ振りを設置しなければなりませんが、レーザー墨出し器があれば不安定な脚立の上で下げ振りを垂らすことなく、
正確に基準を求めることができます。レーザー墨出し器を使うことで、短時間、少人数で墨出し器を行うことが可能です。
DIY
レーザー墨出し器は、建設現場で活躍するプロ用製品というイメージがありますが、ご家庭用の小さなタイプも販売されていますので、プライベートで楽しむDIYにももちろん活躍します。本格的なリフォームはもちろん、小さな棚や家具を作る時、スピーカーやポスターなどちょっとしたものを正確に設置したい時などにも向いています。DIY用のレーザー墨出し器は数千円~2万円程度で購入できるものもあります。
水道・電気などの設備工事
水道や電気などの設備工事などでも、レーザー墨出し器が使われます。
エアコンや照明の各機器の取り付け位置などを一つ一つ測るのはかなりの手間になりますので、正確な位置関係を短時間で測ることができるレーザー墨出し器が使われているのです。
従来のレーザー墨出し器では、光が暗かったため夕方になってから墨出し作業を行い、翌日に建て込み作業や露出配管作業を行っていましたが、現在は昼間でも確認できるほど輝度の高いレーザー墨出し器が登場したため、今でも活用されています。
レーザー墨出し器の使い方
では、レーザー墨出し器の使い方を紹介します。レーザー墨出し器は、以下の流れに沿って使用されます。
- 設置
- レーザー照射
- 受光器での確認
- 墨打ち
それぞれ詳しく紹介します。
設置する
まずは対象の場所に向かって、レーザー墨出し器が水平になるように設置しましょう。
対象物に向けて照射させます。特に水平ラインをご使用の場合は各測点の中央にレーザー墨出し器を設置するとより高精度な墨出し作業が可能です。
この時、エレベーター三脚を用意するとFL墨等との高さ調整がしやすく便利でしょう。三脚を上下操作して高さを固定し、気泡管で正確な水平を保つように設定します。
レーザーラインを照射する
ここでレーザー墨出し器の電源を入れます。各方向の照射ボタンを操作して必要数のレーザーラインを、対象へ向けて照射しましょう。レーザーラインが出たら輝度選択ボタンを操作して作業現場にあった明るさでレーザーラインを照射させ作業を開始します。
正確な墨出し作業を維持するため、作業前には精度確認点検を実施しましょう。
詳細な確認点検方法は、墨出し器に添付の取扱説明書に記載されていますので、確認してください。
受光器を使う
屋外で作業をする場合は、受光器を用意しておくと良いでしょう。受光器とはハンディサイズの小さな機器で、照射している付近に持っていくと音を出してレーザーラインの照射位置を教えてくれる探知機器です。作業している場所が太陽の良くあたる場所だと、レーザーラインは見えにくくなってしまいます。そんな時には受光器を使いレーザーラインがあたっているであろう場所へ当て、正確な位置を確認しましょう。
レーザーラインを確認しながら作業する
水平や垂直など、必要なレーザーラインが確認できたら、位置をよく見ながら作業を開始します。レーザーラインが当たっている箇所(壁など)に印をつけましょう。「墨打ち」とは、墨を使って建築素材などに設計図通りの線やしるしをつけることを言います。レーザー墨出し器で行う場合はより正確な印をつけられるように、レーザーラインのちょうど真ん中を打てるよう気をつけて行いましょう。
墨出し器に関してよくある質問
近年ではDIY用の小さな墨出し器が気軽に手に入るようになり、初心者の方でも使いやすくなりました。ですがいざ購入を検討すると、「どれを選べばいいのだろう?」と悩んでしまうものだと思います。こちらでは、墨出し器に関するよくある質問をまとめてあります。はじめて購入する方が疑問に感じる基本的なものもありますので、ぜひ参考にしてみてください。
安い墨出し器は何が違う?
レーザー墨出し器の値段は、プロ用ならば数万円~、DIY用などの手軽なものは数千円から入手できます。
この値段の違いによる大きな差は、精度・耐久性・輝度・防塵/防水性能や照射本数です。
プロ仕様製品の水平誤差は±1mm/10m以内、反対にそれを下回る価格の製品では±3mm/10mほども誤差が出る場合があります。
また、工事現場では木くずやほこりなどのゴミが出ますので、プロ用の物は防塵性や防水性能に優れています。
プロ仕様のものはレーザーラインの光の明るさである輝度が高い物が多く、上の画像のように一度に8ラインのレーザーライン照射をしてくれるフルラインと呼ばれるものもあり、さまざまな工事でも使えるようになっています。
棚を作る、ポスターを貼るなどの簡単なDIYが目的であればお手頃なものでも良いかもしれませんが、仕事に使用する場合や、リノベーションなどを本格的に考えている方は慎重に検討しましょう。
トーヨーテクノのレーザー墨出し器は、水平の精度はなんと±0.8mm/10mと、超高精度を誇っています。商品の詳細は以下のリンクからご確認いただけます。
光の色は何色がいい?
レーザーラインの色はグリーン、赤の2つがありますが、視認性が高いグリーンがおすすめです。
人間の目は、緑の光は明るく感じ、赤や青の光は暗く感じるという特徴があります。
同じエネルギーの光でも、その波長(色)によって明るいと感じるのです。
波長555nm(ナノメートル)の明るさを1とした場合に他の波長の明るさを比較値で表したものが、以下の図となっています。
出典:〈光とあかりの基礎知識〉標準比視感度(明所視) Panasonic
参考:〈光とあかりの基礎知識〉標準比視感度(明所視) Panasonic
ジンバル式・電子整準式の違いは?
レーザー墨出し器は、ジンバル式と電子整準式の2種類に分かれます。
「ジンバル式」「電子整準式」どちらも重力を利用して水平を保持します。
ジンバル式
一般的に墨出し器のジンバルは2軸であり、下図のようにX軸が左右の傾き、Y軸が仰角俯角方向の傾きを担当します。
「ジンバル式」は振り子式とも呼ばれ少々乱暴ですが「やじろべえ」の原理と同じです。
これを2軸とし、ジンバルユニットを高精度を維持する為の精密加工、及びマイクロメートル(μm:1mmの1/1000)までの調整をメーカー側が実施するのが普通で、この加工技術力や調整技術力が価格差にも表れます。
振り子であるが故に揺れは簡単にとまりませんがマグネットの磁界を利用して制動(急ブレーキ)をかけます。これをマグネットダンパーといいます。(電磁制動の方式)
電子整準式
「電子整準式」は気泡管を内蔵し重力下において傾き移動する気泡を電気信号に変換してモータードライブにより水平を保持します。小刻みな微震に対しては安定していますが、ある程度の振動がかかると内蔵されたモーターが絶えず動くので作業性は悪くなり、加えて気泡管を使用しているので温度変化が激しい場合も安定しないのが弱点です。
以下が、ジンバル式と電子整準式のレーザー墨出し器の比較表です。
ジンバル式 | 電子整準式 | |
気温の影響 | 受けにくい | 受けやすい |
ラインの安定性(微振動時) | やや不安定 | 安定しやすい |
ラインの安定性(強衝撃時) | 揺れてもマグネットダンパーで比較的早く停止 | 一度、大きく揺れるとモーターが動き停止まで時間がかかる |
本体価格 | 安い | 高い |
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トーヨーテクノは信頼できる国内生産ブランドです。自社で加工した部品を使って、職人さんたちがひとつひとつ丁寧に作り上げています。20年の経験をほこる調整マイスターたちが最終調整を行い、数々の厳しい品質検査をパスした超高品質のレーザー墨出し器のみが販売されています。機器の垂直と水平の精度はなんと±0.8mm/10mをほこります。本格的なプロ仕様で、国内自社工場なのでメンテナンスも安心です。
明るくてもくっきり見える
トーヨーテクノのレーザー墨出し器のもうひとつの大きな魅力は、超高輝度モードのフルライングリーンのレーザー光です。
一般的にレーザー墨出し器は屋外の明るい光の下では認識しにくいことがデメリットとされていますが、トーヨーテクノのレーザー墨出し器は明るい現場でもラインがくっきり見えるので、効率的に作業を進められます。どんなに高輝度の照射を続けても、クーリング機能がしっかり温度制御をし、レーザーを守ってくれるので安心です。
まとめ
レーザー墨出し器は、建築現場などで基準となる点や線(ライン)を正確に引くために用いるものです。
DIYで使用する場合には、安価な墨出し器で良いでしょう。
プロが工事現場などで使用する場合には、特にグリーンのレーザーがおすすめです。また、一気に作業を行いたい場合にはフルラインの物を選ぶことをおすすめします。
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