レーザー墨出し器は自分で調整できる?チェック方法や調整料金を解説
レーザー墨出し器は精密機械のため、長年使っていたり、現場の環境が悪かったりすると、精度が狂ってしまうことがあります。
今回は、レーザーの精度が狂っている気がする、自分で直すことはできるの?とお悩みの方に向けて、レーザー精度のチェック方法や狂っていた場合の対処法をご紹介いたします。
目次
レーザー墨出し器は自分で校正できる?
レーザー墨出し器をいざ使おうとしたときに、「精度が狂っている気がする……」「どうも合わないなあ」と思うことはありませんか?
レーザー墨出し器の精度が狂っていた場合、せっかくの墨出し作業が最初からやり直しになってしまうため、自分でなんとか直せないかと思う方も多いでしょう。
レーザー墨出し器の精度が狂ってしまった場合、自分で調整することは可能なのでしょうか?
校正はメーカーでしかできない
残念ながら、精度はメーカーで調整するしかありません。
自分で修理を行おうとすると、怪我をする危険性もあるため、自分で修理を行うことは避けてください。
そのため、まずは精度が合っているかどうかを自分で確認することが先決です。
しかし、大がかりな精度確認は毎回作業前にやってられない……という方も多いのではないでしょうか。そこで、以下では忙しい職人さんでもすぐにできる簡易的な精度チェック方法をご紹介いたします。
簡易的なレーザー精度のチェック方法
ここでは、簡易的なレーザー精度のチェック方法をご紹介します。作業前に行うことで、「精度がずれていて全てやり直しになってしまった……」という事態を防ぐことができます。
ただし、あくまで簡易的なチェック方法なので、定期的にメーカー推奨のレーザー精度点検も行ってください。
メーカー推奨の点検方法はこちらからご確認いただけます。
メーカー推奨のレーザー精度の方法
水平ラインの簡易精度チェック方法
水平ラインの精度をチェックする方法は、以下の通りです。
- レーザーを水平な床に置く
- 水平ラインが照射できる高さに養生テープを貼る
- 水平ラインの右端を養生テープの上に来るようにして、マーキングする
- 水平ラインの左端を養生テープの上に来るように本体を回し、マーキングする
- 3でつけたマークと大きくずれがないか確認する
また、離れたところにスケールを1か所だけ立てて、そのスケールに水平ラインをあてて、水平レーザーの右端、中央・左端の誤差を測る事でも確認が可能です。
全周レーザーの場合は360度全体を計測する必要がありますので、45度~90度ずつ回して計測します。
縦ラインの簡易精度チェック方法
縦ラインのチェックには下げ振りが必要です。
- 風の影響がない場所の壁で、高さ3mのポイントをマーキングする
- 1でマーキングしたポイントから下げ振りを吊るし、床面のポイントをマーキングする
- 1でマーキングしたポイントに縦ラインを合わせ、2の床面にあるポイントとずれがないか確認する
より簡単な方法として、下げ振りの糸に照射してチェックする方法もあります。
メーカー推奨のレーザー精度のチェック方法
ここでは、弊社トーヨーテクノが提供しているTLL-44Gのチェック方法をもとに、メーカーが推奨しているレーザー精度を確認する方法をご紹介いたします。
チェック方法は、以下のPDFで詳しくご確認いただけます。
水平ラインの精度チェック方法
1.できるだけ水平な床の約10m離れた壁面に、レーザー墨出し器をできるだけ壁面近くに配置します。円形気泡管の泡が中央に来るよう、調整ねじ脚で整準します。(図1)
2.水平ライン光を全て照射させ、10m先の壁面に照射されている水平ラインの任意の点をHとしてマーキングします。(図1)
3.その場で上部を360度ゆっくりと回転させ、10m先の壁面Hを観察します。(図2)
4.H点よりも最も上方向にずれた点をH1、最も下方向にずれた点をH2とします。H1とH2の間をスケールで測り、その差が1.6mm以内であれば正常です。
5.ずれが許容範囲を超えている場合は、調整・修理が必要ですので、弊社にご連絡ください。
縦ラインの精度チェック方法
1.天井が3m程度の壁に下げ振りを天井付近に設置します。
2.レーザー墨出し器を壁面から5m離して設置します。
3.円形気泡管の泡がサークル中央にくるように調節ねじ脚で調整します。
4.4本の垂直ライン光が照射するように設定します。
5.垂直ライン光をさげ振りの糸に合わせます。
6.さげ振りの意図とライン光が上下とも一致していれば正常です。
7.本体を90度回転させ、2本目の垂直ライン光も同様に行います。
8.垂直ライン光が糸からずれている場合は、調整・修理が必要ですので、弊社にご相談ください。
通り芯の精度チェック方法
1.地墨ポイント光から5m離れた点で検査します。約11m程度の水糸を用意して、できるだけ水平な床にピンと張り、その糸の中央を0点、0点から5mずつ離れた点をそれぞれA点、B点とし、床にマークし水糸を外します。
2.円形気泡管の泡がサークル中央にくるよう調整ねじ脚で調整します。縦ラインをすべて照射させ地墨ポイント光を0点に正確に合わせ右側縦ラインをA点に正確に合わせます。この時、B点と実際のライン光のずれ量をスケールで測り、ずれが1.5mm以下なら正常です。
3.本機を90度回転させて地墨ポイント光を0点に正確に合わせ、背面側縦ラインを正確にA点に合わせます。この時、B点と実際のライン光のずれ量をスケールで測ります。ずれ量が1.5mm以下なら正常です。
おおがねの精度チェック方法
1.「通り芯の点検」2の状態から正面縦ラインから照射されている0点から5mの位置に印をつけてC点とします。
2.90度回転させてA点に照射していた右側縦ラインをC点に正確に合わせます。
3.この時、B点と実際のライン光のずれ量をスケールで測ります。ずれ量が3mm以下なら正常です。
4.許容範囲を超えている場合は、点検・調整が必要ですので、弊社にご依頼ください。
レーザーの誤差があった場合はメーカーに連絡
レーザーの精度をチェックしたところ、誤差が大きい場合には、メーカーによる修理が必要になります。
購入した販売店やメーカーに依頼しましょう。
トーヨーテクノで購入したレーザー墨出し器の場合は、以下にご連絡ください。
TEL:03-5244-6641(平日 09:00~16:30)
お問い合わせの受付ページはこちらから:お問い合わせ | トーヨーテクノ株式会社
メーカー修理の料金
メーカー修理の料金は、メーカーによってさまざまですが、トーヨーテクノのレーザー墨出し器の調整料金は9,500円となっております。
トーヨーテクノでは、修理サービスの3原則として、
- 最速見積
- 最速修理
- 最高品質
を基本に修理サービスを展開しています。
自社工場で作成しているため、スピーディーで確実な修理を行っています。
トーヨーテクノの「T4T」シリーズの商品一覧は以下のページからご確認いただけます。
商品は大手通販サイトで購入が可能です。日本製のレーザー墨出し器をご検討の方はぜひご確認ください。
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まとめ
レーザー墨出し器は、高精度な製品ですが、厳しい現場環境下で使用されることも多く、定期的な点検が必要です。レーザー墨出し器は自分で校正することは出来ませんが、精度のチェックを行うことができます。
作業前には、今回ご紹介した簡易的な精度チェックを行って、精度が合っているかどうか確認してから作業に入ることをおすすめします。
また、定期的にメーカー推奨の精度チェックを行いましょう。もしずれがある場合はメーカーに問い合わせをして、修理・点検をしてもらってください。
トーヨーテクノでは、国内生産のレーザー墨出し器を販売していますので、修理などのアフターフォローもスピーディーに行います。
現在、レーザー墨出し器をお探しの方や買い換えたいという方は、ぜひ一度トーヨーテクノのレーザー墨出し器をご検討ください。
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